近年、サイトデザインではよくグラデーションの効果が用いられています。
いわゆる立体感や質感の要素を表現できるグラデーションは、フラットデザインの台頭で廃れていた時期もありました。
しかしフラットデザインと組み合わせることで、単色では表現できない多彩な色表現を出すことができる点などが再評価され、現在ではトレンドの表現として多くのウェブサイトで採用されています。
グラデーションはDTPの世界でもよく使われてきたデザイン表現です。
古くからのポスターや雑誌などでも多用されていて、なじみ深いものでもありますよね。
しかしその分、色の選択や使い方によっては、逆に古い雰囲気になってしまうことも…。
かっこいいグラデーション表現に憧れはあるものの、どう使えば効果的にサイトをブラッシュアップさせる要素として
取り入れることができるのか。
グラデーションが生み出す効果や、使用時の注意点について考えてみました。
そもそもグラデーションとは
グラデーションは、2色以上の色を使ったカラー表現です。単色と違って様々なカラーパターンの表現が可能になります。
色の組み合わせによって明るい部分と暗い部分を作理、光と影といった自然な立体感も表現できます。
現実世界では、単色だけで構成されているものはありません。すべてのものには光と陰による陰影表現がかかっています。
その為webサイトや紙といった平面状のコンテンツの要素にグラデーションを用いることで、画面にリズムや動きが生まれ、閲覧者によりナチュラルな印象を与えることが可能になります。
グラデーションが生み出す効果
・単色では表現できない多彩な色表現
複数の色を使ってのカラフルなビジュアル作成が可能という点は、グラデーションならではの強みです。
背景に濃いカラーを使用する場合、単色だと色の印象が少し重く感じ、ストレスに感じることがあります。
そこにグラデーションを採用することで、なだらかな色の表現を実現させ透明感や立体感を醸し出すことができます。
・オリジナリティの強化
ブランディングにおいて、企業のブランドカラーはサイトをデザインする上で貴重のカラーとして採用されることも多くありません。しかし単色表現では競合他社と色がかぶることも想定され、他社と区別するオリジナル表現を作りにくいという問題点が発生する場合があります。そこへグラデーションを使用することで透明感や色のバリエーションが生まれ、オリジナリティを感じさせる表現が可能になります。そういった色の意味を補強できる点が単色と比べたグラデーションの大きな強みの一つです。
・人の視覚に訴えかける立体感を利用した独特の表現
現実の物質は完全に単色という事はなく、光の影響で様々に色が変わります。その為、単色のみで塗られた色は人の目に不自然な印象を与えることがあります。しかしグラデーションのぼかし表現や数色を組み合わせて作る色彩表現が、平面空間に陰影を与え程よい立体感を生み出します。
グラデーションを使う上での注意点
・補色ではなく同系色、近似色を使うこと。
捕色や彩度や明度を落としたグラデーションは、うまく使わないといわゆる”ダサい”デザインになりがち。
調和していない色というのは、どうしても視覚に不自然な感覚を生み出してしまいます。
隣接色を使う、色相を変えない等自然に見える色の表現を心がけると、綺麗なグラデーションを作成できます。
・多用しない
大きく目を引く分、多用すると視線を分散させてしまい、せっかくのグラデーションの視線誘導効果が
台無しになってしまいます。使用する理由を明確にして、必要な要所要所で目的を持って使っていく必要があります。
・光源や光量を考慮して使う
視覚が立体感を感じるには適切な光源・光量による違和感のない描写表現が重要です。光の向きがバラバラだったり異様に影が濃いといった現実では見られないパターンで陰影をつけてしまうと、不自然に見え、立体感のないただ色を組み合わせただけの平面表現になってしまいます。
まとめると、
- グラデーションを使うことで、色の幅を広げたり、立体感を持った表現が可能になる。
- グラデーションを使う場合、多用はせず必要なポイントごとを見極め効果的に使用する。
- 同系色や近似色を使用し、自然な色合いになるよう心がける。
- 立体感の演出を目的とする場合は、不自然にならないよう光源や光量を考慮して使用する。
上記の内容を意識して、グラデーションを表現の強い味方として取り入れていきたいですね。