美術館に行って、1つの作品をどのくらいの時間、見ていると思いますか?
混雑していると、じっくり観察する間もなく、あわただしく次の作品へと移動しなければなりません。
メトロポリタン美術館の調査では、1つの絵画を見る平均時間は約27秒(中央値は17秒)と言われています。
約27秒で読み取れる情報は非常に少なく、「見ているようで見えていない」という勿体ないことが起こります。
色使いや構図、描かれている情景、そこにいる人達の感情・・・。
たくさんの情報が読み取れて、わくわくする絵画を、周りを気にせずもっとじっくり鑑賞したい!
気兼ねなく外出できない情勢もあり、そんな願いを叶えるサービスが続々と登場していますので、少しご紹介したいと思います。
オンライン美術館 HASARD
「 誰でも・いつでも・無料で 」じっくり楽しめるオンライン美術館。
常設展だけでなく、オンラインならではの動く絵画は、普段の作品からはまた違ったインスピレーションを感じることができます。
作品に目が行きやすく、感覚で簡単に操作できるよう配慮されたシンプルなサイトデザインも素敵です。
Google Arts&Culture
世界中の美術館を巡ることができるGoogleサービス。
360°動画や、アートカメラで絵画のストーリーと一緒に細部を覗いたりと、既存の美術館ではできなかった、より没頭感のある観賞が実現できます。
色や技法からの検索も可能で、対象を絞って鑑賞したい人にはおすすめのサイトです。
IJC MUSEUM
草間彌生や池田学、天明屋尚など、日本のアーティスト作品を鑑賞できるオンライン美術館。
まるで美術館へ訪れたような気分を味わえます。
拡大縮小だけでなく、斜め横から見てみたり、下から見てみたり、自由度の高いUIがサイトデザインとしてもユニークで勉強になります。
各美術館のYoutube
各美術館の専門家が、作品について丁寧に解説してくれます。
前知識無しで鑑賞した後に解説を聞くと、自分とは違った解釈だったりして、視点が広がるのではないでしょうか。
オンライン美術館でなら、部屋でまったりくつろいだり、音楽を聴いたりしながら、じっくりとアートの世界に没頭できます。
普段過ごしていると、「何かを探しながら見る」「目的もなくぼーっと見る」ことが多いので、対象を純粋に「あるがままに見る」ことが難しくなっています。
「余計なバイアスをかけずに見る」ということは、客観的な判断ができるようになり、周りに左右されず、自分だけの考えを生み出すことができるのではないでしょうか。
こんなときだからこそ、心を潤す芸術や音楽など、表現の多様さを堪能しながら、多角的な視点で考えられるようにしていきたいですね。