前回の投稿「ESXiに仮想マシン(Ubuntu)構築」の続きです。
弊社ではWebサーバのOSとして以前はCentOSを愛用していましたが、CentOS8を最終版とし以降のリリースは行われないとの情報を知って以来、私がサーバ環境構築に関わる際にはUbuntuを使用するようにしています。
しかし、RedHat系CentOSとDebian系Ubuntuでは色々と差異があり、長年CentOSに馴染んできた社員には突然Ubuntuに乗り換えると言うのも少々難しいようです。
よって、社内で共有管理されるようなサーバに関してはCentOSの「精神的後継(Wikipedia先生談)」であるAlmaLinuxを使用して環境構築したいと思います。
AlmaLinux ISOイメージ ダウンロード
AlmaLinuxに関しては公式サイトからISOイメージをダウンロードすることができます。
画面右上の「ダウンロード」をクリックするとダウンロードするISOイメージのアーキテクチャとバージョンが選択できるようになっています。
今回は、ESXiをインストールしたMacに合わせてアーキテクチャは「X86_64」を、バージョンは現時点で最新の「9.1」を選択しました。
次にダウンロード元となるミラーサイトのリストが表示されますが、上の方に「The following mirrors are nearest to you」としていくつかのサイトが紹介されていますので、これらから1つを選びます(今回は「ftp.sakura.ad.jp」を選びました)。
次の画面では具体的にダウンロードするISOイメージを選べるようになっていますので「AlmaLinux-9.1-x86_64-dvd.iso」をクリックすると当該ファイルがダウンロードできます。
データストアにISOイメージをアップロード
ここはOSのディストリビューションに依存しない操作であるため前回の投稿を参照願います。
仮想マシンの作成・登録
ここも基本的にはOSのディストリビューションに依存しない操作ですので全体的な説明はしませんが、1点のみ。
「名前とゲスト OS の選択」の局面で「ゲスト OS のバージョン」の選択肢にAlmaLinuxがありません。
仕方がないので「その他の…」の中から適当なものを選ぶしかないのですが、どれを選択すれば良いのか今一つ分かりません。
各選択肢にあるバージョン番号はおそらくはLinuxカーネルのバージョンであろうと推測し、AlmaLinux9.1のカーネルバージョン「5.14」に合わせて「その他の Linux 5.x 以降(64ビット)」を選択しました。
その他はいつもの手順に準じて操作を進めます。
OSインストール
仮想マシンの一覧から上記で作成したものを選択し、パワーオンおよびコンソールの起動まで行います。
以降の設定内容は以下の通り。
- インストール時に使用する言語の選択:日本語選択(「続行」実行)
- 「インストール概要」メニューでは
インストール先:ローカルの標準ディスクに表示されているディスクを選択し、「完了」を実行
rootパスワード:パスワードを決定し、入力後「完了」を実行
ネットワークとホスト名:「設定」をクリックし、表示されたウィンドウ上で以下を実行
「IPv4の設定」を選択し、「メソッド」を「手動」に変更
アドレス欄で「追加」をクリックし、「アドレス」「ネットマスク」「ゲートウェイ」を設定
「DNS」を設定(当社環境ではブロードバンドルータ)
上記入力後、「保存」を実行、その後「完了」を実行
その他はデフォルトのまま「インストールの開始」実行
Ubuntuのケースではもっと多くの設定画面がありましたが、その時も積極的に設定したのはネットワークおよびログインアカウントくらいだったので、本質的にはあまり変わっていません。
インストールの所要時間は10〜20分程度かと思います。
終わったら「システムの再起動」を実行します。
OSセットアップ
AlmaLinuxでは再起動時にも設定を求められます。
ウィザードに従って設定を進めます。
- プライバシー(位置情報サービス):とりあえずデフォルト(選択状態)のまま(「次へ」)
- オンラインアカウントへの接続:何も選択せず(「スキップ」)
- ユーザー情報:フルネーム、ユーザー名を入力(「次へ」)
- パスワードを設定する:パスワードを入力(「次へ」)
上記で設定は終了のようです。
「AlmaLinuxを使い始める」をクリックします。
まとめ
上記でESXi上の仮想マシンでAlmaLinux9.1が使用できるようになりました。
以前はCentOS一択だったので環境準備が簡単だったのですが、現状はUbuntuとAlmaLinuxの二択になってしまい、少々面倒な状況です。
これ以上選択肢が増えないことを祈ります。
AlmaLinuxがCentOSの正統後継者としてしっかりと認知されればUbuntuを見限るという選択肢もありますが、前述したようにESXiのゲストOSの選択肢としても今のところ名前が上がっていませんし、同じRed Hat Enterprise LinuxクローンとしてはRocky Linuxもそこそこのシェアがあるようで、AlmaLinuxがCentOSと同等の地位に至ったとまでは言えない状況です。
加えて現時点のLinuxディストリビューションのシェアとしてはUbuntuがトップ(30%強)であり、CentOSもいまだに10%未満程度あるのに対してAlmaLinuxは1%未満らしく、シェアとしてはまだまだです。
また、上記数字から単純に判断すると、仮に現在のCentOSのシェアが完全にAlmaLinuxに置き換わったとしてもUbuntuのシェアには及ばないと言うことになります。
上記点も考慮すると、Ubuntu支持という方向性も捨て難しです。
もう少し状況を見守るしかないですかね…